先日、院内薬剤部スタッフと肝臓病患者の薬物療法と栄養管理の勉強会を開催いたしました。
肝臓の働きは大きく3つに分けられます。
1・体内の化学工場⇒腸で吸収した栄養素を効率よく利用できるように変化させる
2・栄養素の貯蔵庫⇒糖・脂肪・蛋白質を製造・貯蔵し必要に応じて全身へ供給
3・老廃物の浄化⇒回収されたアンモニアや血液成分(赤血球)を処理
肝臓病とは肝細胞が壊され炎症が起こった状態のことです。
要因としてはウイルスや生活習慣があります。最近は非飲酒・痩せているにもかかわらず脂肪肝と診断される患者も増加傾向にあります。(非アルコール性脂肪肝炎と云います)
今回の勉強会では慢性肝障害(肝硬変)の栄養改善について研修しました。
肝硬変はタンパク質・エネルギーが足りていない低栄養状態の方が多くみられます。
改善するためにタンパク質を多くした食事をしていると血中アンモニア濃度が高くなり肝性脳症を発症してしまいます。低タンパク食にすると栄養状態が悪化してしまい負のスパイラルに陥ってしまいます。
BCAA(必須アミノ酸/ロイシン・イソロイシン・バリン)をリッチに含んだ薬剤の服用が良いことも解ってきており、近年ではスタンダードな治療となりました。
しかし、飲みにくさが難点(苦みが強く感じる)フレーバーとともに服用します。
1包50gを200mlの水に溶かして飲むため、食後の服用は至難で、患者様のストレス緩和も必要となっていました。
今回は飲料をゼリーに変身させたものを試食しました。
水100mlに50gの薬剤1包とゼリーの素・フレーバーを溶かし入れ冷蔵庫で固めたものです。
苦みもなく大変食べやすく美味しい!!が率直な感想です。
肝硬変になるとグリコーゲンを蓄えておくことが出来なくなり、夕食後から翌朝までに飢餓状態になりやすいので、就寝前に軽食を(200Kcal程度)摂ることが推奨されております。今回のゼリーはおすすめです。
肝臓の治療でBCAA入り製剤を処方されている患者様は薬剤師や管理栄養士に相談してみてください。美味しく食べられるアドバイスを頂けると思います。
勉強会の様子です。
薬剤部 6名
栄養科 3名
が参加しました。
BCAAがリッチに含んだゼリー
1カップに6gも含有しています。
エネルギーも210kcalと高いので食事調整が必要となります。
管理栄養士や薬剤師に相談下さい。