呼吸器内科部長
呼吸器専門医
呼吸器内視鏡専門医
山縣 俊介
呼吸器内科部長のご挨拶
2019年4月、呉羽総合病院で新たに呼吸器科を立ち上げさせていただきました。いわきでは2011年から2016年までの5年ほど診療経験があり、その頃より呼吸器科医の少なさは身に染みて感じておりました。特に肺癌診療を担う医療機関が乏しいため多くの肺癌患者がいわき地区で診療を受けることができずに他地域や他県での加療を受けざるを得ない状況と聞いております。微力ではありますが呼吸器診療を通じて地域医療に貢献できるよう努力したいと思っております。
具体的には肺炎、膿胸などの感染性肺疾患、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの気道疾患、肺癌や胸膜中皮腫などの悪性疾患、間質性肺炎に代表とされるびまん性肺疾患の診療に当たる事になります。
気管支喘息やCOPDなどのコモンな疾患に関しては地域の開業の先生方と連携させていただきながら発作時など呼吸状態増悪時の急性期対応を担えるようにしていきたいと考えています。胸部写真で異常のない咳や息切れなどでは簡単な肺機能検査などで気道疾患の診断をつける事ができるため、御紹介いただければ精査のうえ診断および治療方針を検討させていただきます。将来的には疾患指導や吸入手技指導などの患者教育や呼吸リハビリの導入まで行えるような環境づくりを目指しています。
=気管支鏡検査等について=
胸部異常陰影として御紹介いただく事が多い肺癌やびまん性肺疾患は、いずれも画像所見のみでは診断や治療方針が定まらないため組織学的診断が必要になります。その為に積極的に気管支鏡検査を行い確定診断をつけた上で治療を検討させていただきます。さらに肺炎などのコモンな疾患でも治療反応性が悪い時などは、抗酸菌(結核や非結核性抗酸菌など)や真菌(アスペルギルスなど)のような特殊な病原微生物による感染症や肺癌の併存を疑い気管支鏡での検索を必要とする事があります。
気管支鏡検査というと、なかなか敷居の高い検査で二度とやりたくない検査の筆頭ではありますが、当院では鎮静を行いつつ可能な限り負担を少なく行えるように配慮し、超音波内視鏡を使用してより確実に診断できるよう努めて参ります。
胸水貯留も診断が困難な例が多いため、当科では積極的に局所麻酔下に胸腔鏡を行い、悪性疾患(肺癌や胸膜中脾腫など)や感染性疾患(膿胸や結核性胸膜炎など)の確定診断を行って参る所存です。
簡単ではございますが、ご挨拶とさせて頂きます。
咳や呼吸困難から胸部異常陰影まで診断や治療に迷うような際は、可能な限り対応させていただきますので御紹介いただけると幸いです。